環境法令における有害物質(水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、廃棄物法等)No6
皆さん、こんにちは。
行政書士の久保山です。
今日は第3種特定有害物質のうち、農薬のシマジン・チウラム・チオベンカルブの3種について詳しくみていきます。。
先ず、シマジンについてです。
別名は2-クロロ-4.6-ビス(エチルアミノ)-1.3.5-トリアジンです。
シマジンは水質汚濁性農薬として農薬取締法で指定されていますので、シマジンの使用
に際しては、都道府県知事の許可が必要です。また、有機物のため土壌含有量については基
準がなく、土壌溶出量基準のみがあります。
土壌溶出量基準: 0.003㎎/L以下
地下水環境基準: 0.003㎎/L以下
一日許容摂取量は0.0013㎎/L以下と定められています。
常温で水に溶けにくい白色個体です。トリアジン系の除草剤として使われます。
水稲苗代、ジャガイモ等の栽培初期に雑草の発生を防ぐための散布されるほか、ゴルフ場の芝生でも使われる。
シマジンは根から吸収差r、効果が出るのは遅いのですが、効力持続期間は長く40~50
日です。水中では加水分解されにくく、半分の濃度になるのに平均30日を要するとされて
います。
毒性ついては発がんのおそれがあるとされています。また、生殖機能又は胎児への悪影響が
あるおそれがあるとされています。
短期毒性としては呼吸器への刺激、眠気、めまいのおそれがあります。
次にチオベンカルブ(ベンチオカーブ)を見ていきましょう。
化学名はS-(4-クロロベンジル)-ジエチルカルバモチオアートです。
日本のクミアイ化学工業が開発し、主に水田の雑草、レタス畑での一年生雑草に対する除草
剤として使われます。
外観は淡黄色ないし茶色がかかった黄色の液体です。
安全性については日本の毒物及び劇物取締法上は普通物扱いですが、有機溶剤に溶解した
ものは危険物第4類・第2石油類に該当する場合があります。
一日摂取許容量は0.009㎎/㎏。コメ・豆類の残留基準は0.05ppm以下となっています。
水質汚濁防止法の排水基準は0.2mg/L以下、環境基準は0.02㎎/Lとなっています。
また、土壌汚染対策法においては、有機物であるため土壌含有量基準はなく、土壌溶出量基
準は0.02㎎/L、地下水環境基準も0.02㎎/Lです。
チオベンカルブは紫外線により速やかに光分解しますが、土壌中での半減期は100日を超えることもあります。
急性毒性としては吸入によりめまい、眠気、感覚鈍麻、頭痛、吐き気、脱力感や意識喪失を
引き起こすこともあります。
慢性毒性としては遺伝性疾患のおそれ、生殖能または胎児への悪影響のおそれがあります。
また、神経系の障害や肝臓、腎臓の障害のおそれがあります。
チウラムはどうでしょうか。
化学名はビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルヒド です。
チウラムは殺菌剤です。わが国での初回登録は1954年です。水にほとんど溶けません。
ネズミやウサギに対する忌避剤として使用されることもあります。また、産業用途として天
然ゴムや合成ゴムの加硫促進剤として使われます。
土壌に排出されたチウラムは、有機物に富む土壌では微生物分解されます。土壌中の半
減期は約15日との報告があります。また、水中では光分解や加水分解されます。
製剤としては水和剤、塗布剤があります。外観は白色粉末で無臭です。適用作物は稲、麦、
雑穀、果樹、野菜、豆、花き、樹木、芝等です。
水質環境基準は0.006㎎/L以下です。加熱により分解する(210℃)ので土壌含有
量基準はありません。土壌溶出量基準は0.006㎎/L、地下水境基準は0.006㎎/L
です。
最後のまとめとして、水質環境基準と土壌溶出量基準、地下水環境基準を示します。
単位は全てmg/L
項 目 水質環境基準土壌溶出量基準 地下水環境基準
シマジン 0.003 0.003 0.003
チウラム 0.0060.0060.006
チオベンカルブ 0.020.020.02
久保山行政書士事務所
住所:静岡県静岡市葵区田町2-33-2
電話番号:054-221-5344
NEW
-
2024.08.10
-
2023.10.01廃棄物についてNo6皆さん、こんにちは。 行政書士の久保山です。土...
-
2023.09.16廃棄物についてNo5皆さん、こんにちは。 行政書士の久保山です。 ...
-
2023.09.05廃棄物についてNO4皆さん、こんにちは。 行政書士の久保山です。 ...
-
2023.08.31廃棄物についてNo3皆さん、こんにちは。 行政書士の久保山です。 ...
-
2023.08.26廃棄物についてNo2廃棄物についてNo2 こんにちは。行政書士の久保山...
-
2023.08.19廃棄物についてN01皆さん、こんにちは。行政書士の久保山です。 も...
-
2023.07.19計量法(検定と検査に...皆さん、こんにちは。行政書士の久保山です。 今...