環境法令における有害物質(水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、廃棄物法等)No4

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産業廃棄物土壌汚染対策水質汚濁

みなさん、こんにちは。水質汚濁防止法土壌汚染対策法重金属等

 

有害物質についてのおはなしです。今回は第4回目でほう素についてです。

 

では、ほう素をみていきましょう。

 

土壌汚染対策法第二種特定有害物質として規定されています。

 

ほう素は原子番号5の元素です。高融点な硬くてもろい個体です。金属元素と非金属元素の中間の性質を示す金属です。

 

結晶性ほう素は化学的に不活性であり、耐酸性が高く、フッ化水素酸にも侵されません。

 

ほう素は地殻中の存在が比較的低い元素ですが、容易に採掘可能なため、古くから利用され

 

ています。釉薬としての歴史は特に長いのです。

 

現在ではガラス向けの用途が多く、ほう素消費量のおよそ60%がガラス向けです。

 

その他、半導体のドーパントや超硬度材料(ゴルフクラブのシャフトにも使われる。)

 

や音響材料、殺虫剤などに使われています。

土壌汚染対策法でも、水質汚濁防止法でも環境基準指定項目となっています。

 

ほう素には複数の同位体があり、全体として高融点勝高沸点の硬くてもろい個体である。

 

モース硬度は9.3であり比重は2.3~2.5です。(結晶構造により比重が異なります。)

 

単体のほう素は金属元素と非属元素の中間の性質を示す元素で導電性は示すが導電性は

 

低いという性質がある。

 

結晶性ほう素は化学的に不活性であり、フッ化水素酸や塩酸によって煮沸しても耐性があ

 

る。ただし、微細粉末は熱濃硫酸や熱濃硝酸若しくは熱クロム酸混液によって徐々に侵され

 

る。

 

ほう素にはいろいろな化合物がありますが、窒化ほう素についてみていきましょう。

 

窒化ホウ素は結晶体によって常温常圧で安定な黒鉛に似たh-BNと高温高圧で安定な

 

-BNがある。

 

-BNは個体潤滑剤、離型剤、ファインセラミックなどに使われ、c-BNの粉末及び焼結

 

体はその硬さから鉄や鋼の研磨材及び切削工具などに使われる。

 

金属ほう素化合物の他、有機ほう素化合物も存在する。有機ほう素化合物は数千種類ものが

 

存在し、代表的なものにトリエチルボランやボロン酸のようなアルキルほう素化合物、ボラジン誘導体のような複素環式化合物などが存在する。

 

アルキルほう素化合物はハロゲン化ほう素とグリニヤール試薬を用いて合成され、アリー

 

ルほう素化合物も同様に合成される。

 

次に用途について詳しくみていきましょう。

 

身近な用途としてはガラスの原料や防腐材、金属の還元剤、溶接溶剤や研磨材、火の抑制剤

 

などがあります。

 

ほう酸塩や過ほう酸塩は眼の洗浄剤、うがい薬や鼻スプレーなどの医薬品、ほう酸団子

 

としてゴキブリ駆除剤などがあります。。

 

ガラス及びセラミックスの用途としてほう素は重要な位置を示しています。

 

ほうケイ酸ガラスは5~30%の酸化ほう素を含み、耐熱性に優れているため化学実験

 

実験に使うガラス器具に多く使われています。また、一般的に調理器具や耐熱皿にも使われ

 

ています。

 

また、ほう素繊維は軽量かつ高強度であるため、繊維強化プラスチックのような複合材

 

の強化剤として利用されています。前に記述したようにゴルフクラブや釣り竿のような

 

一部のスポーツ用品にも使われています。また、絶縁材や耐火材としても用いられていて、

 

ガラス繊維用途のほう素の消費量は全体のおよそ45%に及んでいるとの試算もあります。

他の用途としては音響製品としての用途があります。また、ケイ素、ゲルマニウム、窒化ケ

 

イ素半導体のドーパントとして用いられています。例えば、4個の価電子を有するケイ

素のようなホスト原子中で正孔として機能してP型半導体が形成されます。その他には

 

ネオジム磁石を形成する元素のひとつとして、先述した超硬度材料としても使われてい

 

ます。

 

その用途は原子力関連では中性子の吸収のための制御棒にも及び、有機化学分野では

北海道大学の鈴木章教授も有機ほう素化合物を用いた研究で2010年にノー

 

ベル化学賞を受賞しています。

 

最後にその毒性について記述します。

 

単体ほう素、酸化ほう素、ほう酸、ほう酸塩及び多くの有機ほう酸化合物は、急性毒性に限

 

ると、人および動物には無害です。但し、植物に取っては必須の元素であり、逆に多すぎて

 

も毒性が現れるようです。

 

また、昆虫にとっても毒性を示し、ほう酸団子はゴキブリの駆除剤として使われています。

 

動物に対する半数致死量(LD50)は体重1㎏当り凡そ6gです。一般的にLD50が体重1

 

㎏当り2g以上になると無害といわれているようですので急性毒性があるか疑問です。

ます。

 

ほう素の毒性に関しては他の第二種特定有害物質に比べ低くそれは環境基準の数値にも表

 

れている。

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