環境法令における有害物質(水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、廃棄物法等)No2
みなさん、こんにちは今日は水質汚濁防止法や土壌汚染対策法の有害物質について
のおはなしです。今回は第2回目でVOC(揮発性有機化合物)についてです。
では、VOC(揮発性有機化合物)についみていきましょう。
土壌汚染対策法で第一種特定有害物質として規定されているのは12物質
です。言葉のとおり揮発性の高い塩素を含む11物質とベンゼンから構成され
ます。
塩素を含む11物質の特徴をみていきましょう。
塩素を含む炭化水素で一つ以上の水素原子が塩素原子に置き換わった揮発性の高い低分
子量の化合物です。プラスチックの原料に使われたり、脱脂やドライクリーニングの溶剤として使われています。
塩素を含む炭化水素11種を列挙します。
クロロエチレン(塩ビモノマー)
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
1.2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
代表的なものとしてテトラクロロエチレンを選んでみていきましょう
略称としてパークロロエチレン、パーク、PCEという言い方もあります。
常温で液体で不燃性の液体です。、揮発性が高く、ほとんどの人は空気中に1ppm
存在するだけで臭気を感じます。
用途としては溶剤としての使用が大部分です。ほとんどの有機化合物はテトラクロ
ロエチレンに溶解するためドライクリーニングや自動車部品などの洗浄剤とし
て使用されます。
また、HCFC-134aなどの冷媒を製造するための原料として使用されます。
次に人体への影響と安全性についてみていきます。
多くのハロゲン系炭化水素と同じく中枢神経を麻痺させ、蒸気を吸い込むと、めまい、
頭痛、眠気、錯乱、吐き気、言語障害、歩行困難、意識不明などの症状に落ちる
ことがあり、時には死亡することもあります。
土壌汚染の原因物質として報道されることも多い物質です。
これは、使用されている工場(ドライクリーニング店)の数が多く、過去には、その不燃性、
扱いやすさ、汚れの落ちやすさなどでよく使われていました。そして、安全だと思われてい
たため、廃棄などにもあまり気を使われなかったようです。
テトラクロロエチレンに代表される、有機塩素系炭化水素は比重が水より重いため地下深
くまで浸透しやすく。地下水の流れに乗って拡散しやすい性質をもっています。
次に揮発性有機化合物の一種のベンゼンについてみてみましょう。他の第一種特定有害物質と異なり塩素は含まれていません。
性状は無色で揮発性がたかく、甘い芳香をもつ引火性の高い液体です。構造及び
性質が類似する4物資、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの頭文字
をとってBTEXといわれることもあります。
その人体への影響は発がん性があると言われています。
1950年代にサンダル工場で接着作業に従事していた行員が継続的なベンゼンの吸引
により、血液のがんである白血病等を発症し死亡する事態が起きています。
用途としては他の化合物を製造するための原料として使用されています。
プラスチック原料のスチレン、フェノール、シクロヘキサンの製造に使用され、その他
ゴム、潤滑剤、色素、洗剤、医薬品、火薬、殺虫剤などの原料としても使われています。
ベンゼンは原油にも含まれていて、原油を精製してできたガソリン中に1%ほど含まれ
ています。
従って、ガソリンスタンドの売買や解体の時には土壌汚染調査の自主調査としてベンゼンを調べる事がほぼ必須となっています。
今日は第一種特定有害物質についてみてきました。
久保山行政書士事務所
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電話番号:054-221-5344
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